任意売却とは、住宅ローンの返済ができなくなった人が、ローン会社からその住宅の差し押さえを受けて、住宅を競売に付されてしまうことを防ぐために、不動産会社を仲立ちにして設定されている抵当権を外してもらい、任意に住宅を売却することで、ローン会社に、その売却益をローンの未返済分に充当してもらうために行われるものです。
しかし、この任意売却を、逆にローン会社の方から持ち掛けられる、という場合もあるわけなのです。
というのも、ローン会社が、ローン返済不能となった人の住宅を差押えて競売に付しても、どれだけローンの未払い分を回収できるのかわかりません。もっとも、これは任意売却した場合でも同じなのですが、任意売却というのは、その買い手にとってはあくまでも一般的な不動産売買取引であるために、場合によっては、かなり高く売れる場合もあるのです。
つまり、ローン会社にとっては、差し押さえ・競売による売上額と、任意売却した場合の売上額とを天秤にかけてみて、もしも任意売却した方が売上額が大きいと見込まれる場合には、差押えて競売するよりも、任意に売却させる方を選ぶ、ということになるのです。
このどちらの場合でも、その売却代金はローン会社に入るので、要は売上額の大きな方が有利になるということで、もしも任意に売却させた方がより多くの売上が入ると見込んだ場合には、ローン会社の方から、任意売却するよう持ち掛けてくるのです。
住宅ローンの返済に悩む人が多くいます。実際に借りるときはあっという間でも、その返済は20年・30年にわたります。20年も30年もあれば、環境も変わります。社会的な情勢も変わります。そんな中でも任意売却という言葉は知らない人が多いと思います。基本的には、そういう状況に追い込まれた人でなければ知らないで当然なのですが。改めて、住宅ローンの返済が困難になったとき、任意売却という選択肢があります。また、任意売却は少なからずメリットもあるものなのです。
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